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お大師様のことば お大師様のことば

お大師様のことば(二十四)

大正大学名誉教授
文学博士・東京成就院住職
福田 亮成

 この句は、私達が日常行為しております本堂での勤行のなかで、時として去来いたします想念でありましょう。文章としては、端的に対句というよりは対立節とでも云っていたほうがよいように思います。ともかく宗教的体験の中で確認されるような心証につながっていくものであるにちがいありません。

 この句はさらに『即身成仏義』の「三密加持さんみつかじすれば速疾そくしつあらわる」の頌下に「加持とは、如来の大悲と衆生の信心とを表す。仏日の影、衆生の心水に現ずるを加といい、行者の心水よく仏日を感ずるを持と名づく」とあるように加持ということの実証を述べたものにちがいありません。そして、さらに「行者、もしよくこの理趣りしゅを観念すれば、三密相応さんみつそうおうするが故に、現身に速疾に本有ほんぬの三身を顕現し証得す」とあります。

 私達が本尊と対峙たいじした場合、その本尊は私達すべてが内在しております仏であることの投影にほかなりません。それは、本尊を本とし、われを影とすることでありましょう。逆にわれを本とし、本尊を影とするならば、本尊がわれに影現したことになります。『大日経疏』のなかに「具体法身」なる言葉があります。大変に興味深いものであります。

 「三密加持・・・」と読むのですが、「三密加持・・・」とし、仏と行者との間には、すでに加持が現成されているということを云うことになりましょう。三密活動とは、如来のそれですが、『即身成仏義』には、衆生の三密なる表現がありますことに注意しておきましょう。

 手に印契、口に真言、心に三摩地という三密相応のありかたをもっと社会にむけた活動へ積極的に解き放つべきではないでしょうか。

六大新報 第四二三八号 掲載



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