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お大師様のことば お大師様のことば

お大師様のことば(十六)

大正大学名誉教授
文学博士・東京成就院住職
福田 亮成

 この句は、「中寿感興の詩」の中の一句であります。中寿とは四十歳のことで、世間では人間四十歳になると酒席をもうけてお祝いをするのですが、方袍(袈裟)、即ち僧侶はどのような仕方でお祝いをしたらよいのであろうか、と自問し、答えて、ただ姿勢を正してすわり、仏の徳を思念するだけであります、と述べております。そしてさらに続けて、「文殊讃佛法身礼」という四十行の頌があり、それを夜通し繰り返し誦することによって、真実を感得し通達しました、と、いっております。文章はわかりやすいのですが、そしてその深い意味を悟るのが難しいので、人びとの為に一百二十にわたる礼文を四角と円との二図に作り、注釈書を撰述しました、と述べております。

 残念ながら、お大師様の四角と円との一百二十にわたる礼文を図画し、さらにその注釈書を撰したそれは残っておりません。当時傳教大師最澄は、早速に弟子を使わされて、これらの備覧を依頼されていたことが明らかであります。

 これはお大師さま、四十歳の頃の一つのエピソードを示すものでしょう。当時の四十歳という年齢は現代の古稀七十歳頃と考えられますが、どうでしょうか。

 因みに、法身礼の円図が『弘法大師全集』第四輯(増補三版 昭和四十年)の八三九頁以下に「法身三密観図」として掲載されておりますので応見して下さい。それがお大師さまの作図されたものであるかどうかは、なかなか判断できかねます。

 この法身礼は、不空訳の『大聖文殊師利菩薩讃佛法身礼』一巻(『大正』二十巻)にある偈文を指しておりますが、最近、そのサンスクリット原典が発見され、大正大学より刊行されております。

六大新報 第四二一八号 掲載



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