諸の弟子らに語(つ)ぐ。
およそ出家修道はもと仏果を期す。
あにいわんや人間(じんかん)少々の果をや。

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お大師様のことば お大師様のことば

お大師様のことば(九十)

大正大学名誉教授・種智院大学客員教授
東京成就院長老


福田 亮成



 私達は、日常生活のなかで、仏を念じ、先祖をうやまい、亡き人を弔うに、人間のする最も清浄な姿勢である"合掌"をいたします。これは、最も重要な宗教的行為の一つでもあります。
 詩人・高田敏子さんに、合掌についてのすばらしい詩があります。
神さまや 仏さまが
ほんとうに いらっしゃるかどうか
でも あの合掌をしたときの安らぎはどこからくるのでしょう
右の手の悲しみを
左の手がささえ
左の手の決意を
右の手がうけとめる
その上を流れる
静かな時間
こうした姿勢を教えてくださったのは
どなたでしょう

ふりむくと青い目の外人さんも 手を合わせて…
小さな観音さまと なにをお話したことやら 
(「浅草観音」-『月曜日の詩集』)
 私はこのすばらしい詩に感動いたします。
 以前、合掌は清浄なる仏の右の手が、迷える不浄なる左の手をささえるものであると聞いたことがありました。ふだん何気無くおこなう合掌という行為には、このような世界がこめられているのだ、と感じ入ります。
 かかげましたお大師さまのコトバは、合掌のもっと奥底を言ったものであるにちがいありません。密教事相のなかに、五供養ということがあり、塗香ずこう華鬘けまん焼香しょうこう飲食おんじき燈明とうみょうの印契、真言が示されております。私は、外から仏さまをお参りする場合、合掌はもちろんですが、特に燈明と焼香の真言を誦し、印契を結びます。


六大新報 第四四一〇号 掲載



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