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お大師様のことば お大師様のことば

お大師様のことば(四十三)

大正大学名誉教授・種智院大学客員教授
文学博士・東京成就院長老
福田 亮成



 お大師さま、四十三歳、弘仁七年(八一六)六月十九日に、高野山を入定の地(ここでは修行の為の地)として請け乞うための上表文を朝廷に提出しました。掲げました文は、高野山を請け乞うための理由を述べたものであります。

 この文の前に、わが国の歴代の皇帝は心を仏法にとどめられ、荘厳な伽藍がらんが建ち並び、寺ごとに仏法を話す高僧達があふれている。そして実に仏法興隆はここに足りているかに思われる、と述べられ、「ただ恨むらくは」として、この文が続くわけであります。

 お大師さまの高野山への思いは、「空海少年の日、好んで山水を渉覧して、吉野より南に行くこと一日、さらに西に向って去ること両日程にして、平原の幽地あり、名づけて高野という」とありますから、少年の日にすでに高野の地は確認されていた処であったというわけであります。さらに、お大師さまが、唐より帰国の船中で「帰朝の日、必ず諸天の威光を増益ぞうやくし、国家を擁護ようごし、衆生を利済せんがために、一の禅院を建し、法に依って修行せん。……いま思わく、本誓を遂げんが為に、いささか一の草堂を造って禅法を学習する弟子等をして法に依って修行せしめん」として、船中で小願が、十二年たっていよいよ実現されようとしております。弘仁七年六月十九日に上表文が提出され、七月八日に許可され、弘仁九年(八一八)十一月十六日にお大師さまは高野山上に登られたようであります。お大師さまの大活躍の場所を、神護寺、東寺のみであってはいささか物足りない。やはり高野山があってこそお大師さまのご生涯が万全にかたられるでありましょう。



六大新報 第四二八八号 掲載



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