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お大師様のことば お大師様のことば

お大師様のことば(四十二)

大正大学名誉教授・種智院大学客員教授
文学博士・東京成就院長老
福田 亮成



 密教におきまして、「加持」という語は、特別な重要な意味を持っているということができます。『即身成仏義』に、「加持」の語の定規があります。

 

加持とは、如来の大悲と衆生の信心とを表す。仏日の影、衆生の心水に現ずるを加といい、行者の心水よく仏日を感ずるを持と名づく。


 と。かって、私は故那須政隆阿闍梨に、こんな質問をしたことがありました。赤面のいたりですが、、とありますから加持しなかったらどうなりましょうか。そんなに読み方にこだわるならば、れば、と読んだらよかろう、と。

 揚げました文章をもう少し広げてみますと

 

三等さんとうの法門は仏日に住して常に転じ、秘密の加持は機水に応じて断ぜず。法性の身塔奇なるかな、おほいなるかな。


 とあります。三等の法門とは、心・仏・衆生の三平等即ち密教の教えでありましょう。仏日とは、常住なる大日如来の大慈悲、大智恵の日のこと、秘密加持とは、如来の大悲の力によって人びとの機根(即ちそれぞれの思い)に応じて絶えず説法が続けられていること。法性身塔とは、大日如来が法界に遍満されていることを塔としてシンボル化したものであり、そして、その偉大さでありましょう。

 ここで力強く宣言されておりますことは、私達に対しての如来からの働きかけは、各々の人びとの求めに応じて断ずることがない、ということであります。また、それは常恒に説法されているというようにもいうことができましょう。仏日の影が私達の心水に現んじ、そしてそれを深く受けとっている。お大師さまの深い宗教体験の実際を述べた言葉でありましょう。



六大新報 第四二八六号 掲載



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